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完全なる事業承継の完成

完全なる事業承継の完成

御子息が積極的に「後を継ぎたい」と言えるように

純資産価額の計算は、資産リストラつまり、不良資産や長期債権はできるだけ除却、売却、処分して含み損を実現します。

また、先代の経営者には社長から会長に昇格し、非常勤になってもらいます。株主総会で社長に役員退職慰労金を支給します。役員退職慰労金の計算方法は、(直近の役員報酬×勤続年数)×功労加算割合となります。

功労加算割合は3倍から5倍くらいでしょうから30年勤続なら約100カ月分の役員報酬と同額になります。同業他社の役員退職慰労金と比較して、著しく高額でなければ、この退職金は損金になり、法人所得を減少させ法人税等が下がり、純資産も減額されます。

つまり、相続と言う関所を通るときには出来るだけ背を低くして通過し、関所を過ぎたら元の背に戻したり、別の背の高さに変身できるようにします。

役員退職慰労金が損金として認められるために、会長就任後、社長時代のように会社には出てこないで、ライオンズクラブやロータリークラブ、商工会議所や同業者団体、地元商店会、あるいは、M&Aで取得した別の会社の経営、インターネットなどで会社の側面支援をするなど、業務の内容を見直す必要があります。後継者にしてみれば毎日会社に出てきて今までどおりに業務をこなしているというのもやりにくいものです。週一回とか毎日にしても朝だけ全体を見まわすような仕事をしてもらい、もっぱら外部にいて外部から応援やアドバイスをしてくれるような仕事をしてもらいたいと考えます。

また、役員報酬は社長時代の2分の1以下に減額しなければなりません。しかし、会長自身にとっては役員退職慰労金を現金で受け取って、あらためて会社の発行する「少人数私募社債」を購入し、会社に貸付けします。社債の利息は5%から8%ぐらいに設定しておけば、生活費は確保され、後継者にとっては役員報酬が減額した分利益が増加するので金融機関の信用が高まります。つまり、関所を通過したら背の高さは高くなります。

多くの本に書いてあるように、「株式を後継者が買い集める」には非常に多額の資金が必要です。なお、買い残した株式を持っている株主にどのような人がいるか分からない状態です。

しかし、全部取得条項付き株式を使えば、筆頭株主になるだけの株式を買えれば、種類株式を100%手に入れることができるのです。このホームページの例では発行済み株式の3分の1(33%+1株)を贈与と譲渡で手に入れればいいので、単純に言えば6分の1強の現金を持っていればよいのです。これなら資金手当てができるはずです。

他の少数株主には、積み上げてきた、会社の財産の一部(割合分)を支払い、過去のご協力に感謝するとともに、議決権の返上を受け、少数株主からの株主代表訴訟の心配をなくし、会社は資産リストラで余分な脂肪分をそぎ落としたので、利益が出やすい体質になり、社長の役員退職金を支払い、一線から退いてもらうと同時に、社債に投資してもらうことで銀行借入金を返済すれば、前途洋洋たる事業承継が可能になります。

後継者には完全なる事業承継が可能になります。これなら、どうしようか悩んでいる御子息が積極的に「後を継ぎたい」と言ってくれること間違いありません。

 第一コンサルティング株式会社は、中小企業の事業承継を応援します。私たちは、現経営者と事業承継の話をしてみます。私たちは、息子さんの考えを聞いてみます。

完全なる事業承継は、税法の知識だけで実現できません。会社法や信託法の知識だけでも実現できません。今は、総合的な知識が必要な相続コンサルティングが求められています。

※平成24年12月当時の法律により記載している記事です。その後の改正には対応しておりませんのでご留意ください