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株式の評価額を下げる=相続のコストを下げる          

相続時の株式の評価額の計算方法は、3つあります。

@ 純資産価額
 A 類似業種比準価額
 B 配当還元価額

ほとんどの会社は@とAの加重平均価額です。大会社は類似業種比準価額が100%純資産価額が0%です。以下、会社の規模が小さくなるほど類似業種比準価額より純資産価額を重視した評価額になります。

  類似業種比準価額 純資産価額
大会社 100%  
中会社 90% 10%
75% 25%
60% 40%
小会社 50% 50%

これは、大会社は上場会社に準じた株価が形成されるであろうと考えていますい、中小会社は、新製品の開発力、マーケティング力、製造や開発のノウハウ、人事管理や経理能力など総合的に力不足であろうと考えて、物としても会社の価値を見ていることを意味しています。そして、規模の大小を問わず、純資産価額が類似業種比準価額より小さい場合は、純資産価額で株価を計算することが認められています。

大会社は、従業員規模が100人以上の会社です。100人未満の会社は簿価総資産、従業員数、直前期1年間の取引金額により会社規模の大・中・小を判定をします。

当社は、まず、あなたの会社が上の表のどのランクに当たるか分析します。というのは、会社の規模により、採るべき相続対策が異なるからです。

類似業種比準価額という計算方法は、純資産に多額の含み益があっても、含み益を無視して、同業他社の株価に比準させて貴社の株価を計算します。

これに対して純資産価額は貸借対照表を時価で見直し、時価ベースの純資産―含み益に対する未払法人税等で計算した純資産額を発行済み株式数で割り算して貴社の株価とする方法です。

株式の評価額を下げようとする場合、次の7つのアプローチがあります。

@ 会社の規模を変える(大会社を目指す=合併その1)
 A 会社を分割する(株価の高い業種から低い業種に)
 B 資産リストラ(後継者は欲しい資産だけ引き継ぐ)
 C 役員退職慰労金を支払い、小規模私募社債を発行する。
 D 類似業種比準価額の要素計算を下げる(利益比準要素の減少)
 E 類似業種比準要素を下げる(配当は自由自在)
 F 類似業種比準割合の要素計算を下げる(純資産要素の減少=合併その2)

@ 会社の規模を変える(大会社を目指す=合併その1)

一般的には、類似業種比準価額の方が純資産価額より低くなると言われています。特に歴史の長い会社は昔時価が低い時代に手に入れた土地を持っているので、相当含み益があると思います。不動産や有価証券の時価を無視して評価する類似業種比準価額は相対的に評価額が低いと言われています。

その一つは上の表の大会社が含み益を無視して株価が決まるので、大会社の方が有利ですから、現在、経営者が複数の会社を持っているなら、合併することを考えます。

ただし、合併するとき、合併で消滅する会社の方は時価で出資したものとみなされ譲渡益相当額に課税されてしまいます。しかし、合併する双方の会社が100%親子会社であったり、兄弟会社の場合など一定の条件を満たせば合併時に課税されず、繰越利益(または繰越欠損金)や含み益を持ったまま合併できる税法上の「適格合併」と言う仕組みがあるので、これを目指します。

A 会社の規模を変える(会社を分割して株価の低い業種を目指す)

中小企業の経営者は通常2つ以上の事業を行っています。一つは、安定的に売上げや利益を上げられるけれどローリターンである事業と、ハイリスクだがハイリターンとなる事業です。この2つの事業を一つの会社で経営していると、類似業種は1つに絞られる可能性がありあります。会社分割で2つの業種分類に含まれることでリスクは分散されます。

B 資産リストラ(後継者がほしい資産だけ引き継ぐ)

もう一つのアプローチは、事業承継の本質からすると、こちらの方が正道ではないかと思われる方法で、資産リストラと呼ばれる方法です。この方法は従業員が100人に届かない中小の同族企業でも使える方法です。

資産リストラとは不良資産を除却して損失を実現してしまう方法です。

相続税に限らず税法の建前は、ある資産の時価が下がったとしても、会計上資産に計上しているなら、税法だけ評価損を計上することは認められていません。そこで、陳腐化した棚卸資産、長期未回収の売掛金、生産性が下がった機械装置、ゴルフ会員権やリゾートクラブの入会金など価値が下がった資産は思い切って除却又は売却します。

ただし、土地・建物と有価証券については、相続税評価通達で評価方法を定めているので、土地については路線価マイナス奥行逓減などの調整、建物は固定資産税評価額、上場有価証券は相続開始の日、前月終値の平均、前々月終値の平均など、誰が評価してもほぼ同じ評価額になるように統一されています。しかし、それ以外の資産は損失を確定しないと評価額を下げることができません。

同様に、負債は税務上確定債務だけを負債としているので、引当金(当期の費用であるが金額や条件が未確定の債務)は負債として認めてもらえません。もし請求書が来ているなど債務が確定しているなら、未払債務を確定してください。

これらの資産リストラを、事業承継に使う場合は、「後継者にとって価値がある資産のみ」を引き継ぎ、「後継者にとって不要な資産」は、引き継がない。ということができます。つまり、後継者にとって都合のいい資産をつまみ食いできるのです。

これが、相続(つまり現経営者の死亡等)では、現経営者が買い込んだ資産は、後継者にとって意味があろうが無かろうが、あるいは、後継者が価値を認めようが認めまいが、相続税を支払って引き取らなければなりません。つまり選ぶことができないのです。

贈与や譲渡は、後継者のとっていらない資産は「いらない」と言って引き取らないことができます。

ある、会社の社長は、自分の趣味をかねて書画骨董を多量に持っていました。事業承継に当たって、会社の株式を贈与と贈与で引き取るときに、後継者は自分に趣味がないこれらの書画骨董は会社分割して先代が引き継ぐ会社に残しました。先代は、大好きな書画骨董に囲まれて過ごしています。後継者は、事業に直接関係がないと思われる資産や、価値が分からない書画骨董のために相続税を払うことからまぬがれました。

したがって、円滑な事業承継を目指すなら相続を待っていてはいけません。財産を選べ、時期を選べる、譲渡や贈与を選ぶべきです。

C 役員退職慰労金を支払い、小規模私募社債を発行する

現経営者は社長から会長に昇格していただいて、役員退職慰労金を支払います。会長になった現経営者は毎日会社に出社せず、必要に応じて出社するだけで、仕事の内容も、社外の団体に加盟して、社外から情報を収集したり、広報を行ったり、余った時間はゴルフなど健康管理に努めます。

社長の地位に30年もいれば、おおむね100か月分の役員報酬に相当する金額が役員退職慰労金が支給されます(役員退職慰労金規程を作ってお子こと)。株主総会で決議したうえで、支払われれば、損金になります。つまり、役員退職慰労金も節税になります。

100ヶ月分の役員報酬を払ったら資金繰りがショートするのでは。と思われますが。新会長には受け取った退職慰労金の一部で、会社の「小規模私募社債」を引き受けてもらいます。小規模私募社債は、実態は長期借入金ですが、5年とか10年の一括返済であることから、会社の手続きは社債台帳を付けるだけで難しい手続きはいりません。登記もいりません。

資産リストラと、役員退職慰労金は損金となるので、法人税の納税が減るので資金繰りは大幅に改善します。資産リストラと役員退職慰労金は、事業再生の重要な手段でもあります。

事業承継後は、贅肉を削り落した「稼げる体質」の会社になります。物の本には、事業承継するために社長の個人財産を売って借入金を返した方がいいと書いてありますが、経験的には、資産リストラと、経営者の役員退職慰労金を使えば、資金繰りが好転して事業承継しやすい、つまり事業承継後に余分な負担が少ない承継が可能になります。

当社は、資産リストラのためにデュージェリデンス(財産調査)を実施します。次に、資産性を見て資産リストラを勧告します。資産リストラ案に従って相続税の計算をし直して節税額を具体的に算出します。

資産性があると認められた資産について、さらに、先代経営者と後継者にインタビューを行い、後継者に託す資産と、現経営者に残すべき資産とを峻別します。峻別の方法は、現経営者に残す資産の額により会社分割か、資産の譲渡をします。(なお、現経営者が引き取った財産は改めて取得価額がつくので、譲渡時に譲渡益が少なくなります。)

以下続く→

 

 第一コンサルティング株式会社は、中小企業の事業承継を応援します。私たちは、お父さんと事業承継の話をしてみます。私たちは、息子さんの考えを聞いてみます。

完全なる事業承継は、税法の知識だけで実現できません。会社法や信託法の知識だけでも実現できません。今は、総合的な知識が必要な相続コンサルティングが求められています。


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